書籍レビュー – C#ポケットリファレンス 改訂版

書籍レビューです。

今回は、WINGSプロジェクトの飯島聡様よりご依頼を受け、同代表山田祥寬様のご厚意により、技術評論社様より発刊された【C# ポケットリファレンス 改訂版】を頂きました。
飯島様、山田様、技術評論社様にはこの場を借りて御礼申し上げます。今回もありがとうございます。

本書は、6年前に出版された【C# ポケットリファレンス】の改訂版となります。改定前もレビューしていましたので、併せてどうぞ。

書籍レビュー – C#ポケットリファレンス

今回は前作のポケットリファレンスから、どのように変更されたかを中心にレビューしてみようかと思います。

対応バージョン

改定前はC#4.0までが対象となっておりましたが、本書では最新のC#7.0の記述にも対応しています。どのバージョンから対応しているかは、各項目の見出しに「C#7.0」や「.NET 3.5」等で記述されており、自分たちが開発してるC#の環境で使えるのか乃判断の目安になります。このあたりは、常日頃から改定が進められているC#ならではかもしれません。

章構成

次に改定前との違いで目を引くのは章構成の変更です。前作にあったユーティリティの章が削除され、ユーティリティの一部として記載されていた非同期処理が独立して用意されました。昨今の流行はなかなか追えておりませんが、Windows 8以降に登場したWindowsアプリまたはユニバーサルアプリに代表されるように、デスクトップアプリと呼ばれていた現在のクラシックアプリでも非同期処理を伴った実装が当たり前となっています。そのため、1章丸々使って様々な非同期処理のコーディング方法を紹介しています。
また、ユーティリティの章に割り当てられていた他の項目は、各項目で最も関連する章に吸収されています。削除されているわけではないので、その辺はご安心を。

  • C#を始めるために
  • 基本文法
  • 基本データ型の操作
  • コレクション
  • 入出力
  • 非同期処理
  • データベースアクセス

山田さん監修の書籍にはいつも助けられていますが、本書のようなリファレンスは特に重宝しています。
C#も誕生して早10年を過ぎました。これからも進化を遂げるであろうC#のお供にこのリファレンスはいかがでしょうか。

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C#ポケットリファレンス改訂版

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C#ポケットリファレンス

書籍レビュー – C#ポケットリファレンス

今回は久しぶりの書籍レビューです。

今回は、WINGSプロジェクトの代表山田祥寬様のご厚意により、技術評論社より発刊された【C# ポケットリファレンス】を頂きました。
山田様にはこの場を借りて感謝いたします。ありがとうございます。

本書は、技術評論社で好評を博している【ポケットリファレンス】シリーズの最新刊です。待望のC#ですね。逆引きによりやりたいことから目的のメソッドを見つけられるというものです。本書と競合書として【Visual C# 2010 逆引き大全】という書籍が秀和システムより刊行されています。

本書と逆引き大全の一番の違いは【C#とVisual C#の機能差】によるリファレンスの違いでしょうか。
本書はコンソールでも使用できるメソッドが中心に揃えられており、C#として利用、理解できることを重きに置いています(UI系のリファレンスはほとんどありません)。対して逆引き大全は、C#の要素は必要最低限に留め、WinFormsなどのUIで利用できるコントロールやメソッドに重きを置いています。

本書はChapter 1~Chapter 8までの8章構成で、基本文法から始まりデータ操作、コレクション、入出力、ユーティリティ、データベース操作、WindowsアプリケーションとC#で必要なモノは一通りリファレンスを通して学習できます。なおコレクションや後述するLINQでここまでしっかり押さえて書かれている本は少ないかと思います。

また本書で特筆すべきは、LINQの項目では各項目にクエリ形式とメソッド形式の両方の構文を載せている点です。他の書籍を見てみると分かりますが、大抵の書籍はクエリ形式でしか説明しておらず(ハーバート・シルトの独習C#ですら)、メソッド形式についてはほんのさわり程度しか扱われていないことがほとんどです。これが原因でLINQが敬遠されていたのは間違いなく(自分がそうだし)、それが解消されそうです。Web+DB Vol.64でもMVPの小野さんが指摘されていますが、クエリ形式もきちんと書かれていないと(C#erは間違いなく)理解が進みません。本書はこの点でしっかり書かれており、基礎が押さえられるのではないでしょうか。対して逆引き大全は、各項目でクエリ形式とメソッド形式がゴチャゴチャに書かれておりちょっとヒドイです。

C#勉強したいけど、あんな分厚い本読みたくないよコンチクショーとか思っている方は、本書はオススメです。リファレンスと書かれていますが、基本文法などもしっかり学べますし、何より読みやすいので取っつきやすいかと思います。

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Visual C# 2010 逆引き大全
独習C# 第3版
Web+DB Vol.64