書籍レビュー – はじめてのVisual Studio 2012

2013年最初の投稿です。

久しぶりに書籍レビューです。

今回は秀和システム様より発刊された「はじめてのVisual Studio 2012」です。
執筆者飯島様からのご厚意により献本いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

この書籍は、Windowsアプリケーションの開発では必須となる開発環境である「Visual Studio」の最新版「Visual Studio 2012」の機能を詳細に紹介した数少ない書籍になっています。
Visual Studio 2012の中でもProfessional / Test Professional / Premium / Ultimate エディションを利用されている開発者でも機能をフルに使いこなせている人はほとんどいないと思います。
巷ではExpress版での開発に重点を置いた書籍の方が圧倒的に多いですが、それ以外のエディションでの重要な機能をしっかりと紹介された書籍はほとんどありません。いったいどんな機能がエディションごとに用意されているのかを把握し、その機能の内容を知る書籍としては最適な書籍です。特にテストプロジェクトやTFSとの連携をあまりされていなかった方は、この書籍で機能の把握をしておくとALMやテスト駆動開発などへの理解が一気に進むのではないかと思います。

本書の詳細な章構成は、以下の秀和システム様のWebサイトをご確認ください。
TECHNICAL MASTER はじめての Visual Studio 2012

本書は前バージョン向けに「はじめてのVisual Studio 2010」という書籍が発刊されていますが、前著と大きな変更点と言えるのは、Windows Store アプリケーションの開発の章が追加されています。早い段階で何冊かWindows Storeアプリケーション向けの開発書籍は出ておりますが、本書でもWindows Storeに公開するまでの手順は紹介されています。詳細な開発手順やテクニックなどは別の書籍をお奨めしますが、ざっと概要を把握するにはよいのではと思います。

次にセットアッププログラムの章が変更されています。2012から作成できるセットアッププロジェクトは、Install Shieldのみとなり、MSから提供されるセットアップ方法はClickOnceとASP.NET配置のみになりました。そのため変更されています。

またテスト用のプロジェクトが強化され、単体テスト用のプロジェクトとUIテスト用、Webのパフォーマンステスト用の3種類のテストプロジェクトが作成できるようになりました。そのため、テストプロジェクトの章もWindows Storeアプリケーション開発の章と同様に大幅に増強されています。テストプログラムをあまり書かなかったりしていた開発者の方は、この章だけでも読んでみてはいかがでしょうか。

Visual Studio 2010から一気に強化された感じのするTFSとの連携機能ですが、この点も抜かりなく紹介されているので、私みたいにほとんどコード管理のみで利用していたTFSの機能を更に有効に使いこなせるようになる第一歩になるのではないでしょうか。

また、このほかにもVisual Studio 2012で開発できるアプリケーションの種類なども網羅されています。
「はじめての~」とタイトルにはついていますが、Visual Studioをあまり使いこなしていない人には必読になる書籍だと思います。

今回紹介した本のご購入はこちらまで
はじめてのVisual Studio 2010 (TECHNICAL MASTER 62)
はじめてのVisual Studio 2012 (TECHNICAL MASTER 72)

VS2012のバージョン情報のユーザー名表示

Visual Studio 2012のバージョン情報ですが、今回もライセンス名の表示は修正する必要がありそうです。

image

これはすでに修正している内容なんですが、今回もレジストリエディタを利用して修正する必要があります。
修正個所は、MSDNのブログを参考の上、バージョン11.0のキーの該当箇所を修正してください。

The Visual Studio 2010 Help-About dialog box and the Splash Screen shows Registered Username and Registered Organization as Microsoft.

これから、またVisual Studioなどの開発ツールの話題が盛り上がりそうですね。

Metro StyleからModern Styleへ

一部ニュースサイトでも話題に上がったWindow 8やWindows Phoneで使用されているユーザーインターフェースの呼称問題ですが、どうやら【Modern Style】ということでひとつ落ち着いたようです。

今までMetro Styleで親しまれていたUIの呼称ですが、これからはModern Styleで統一されていくようですので、本ブログでもModern Styleまたはモダンスタイルで表記していきたいと思います。

Windows 8, Visual Studio 2012のRTM版が公開されました。

昨日~本日未明にMSDN サブスクリプション向けにWindows 8およびVisual Studio 2012のRTM版が公開されました。

個人的に今回の目玉は今まで市販のみだったTeam Foundation Serverが無償のExpress版を用意したことです。
やはり高価ということもあり、敬遠していた中小企業もあるかと思います。これを機にバージョン管理をTFSに移行してみるのもいいかもしれません。
現在プレビュー版ですが、クラウドのTFSの提供も予定されています。

ここ1~2か月Windows界隈は非常ににぎやかで色々なものが目白押しとなっていてどこにフォーカスを当てればよいのか判断できないところです。
Windows 8のModernスタイルの方はすぐに追うことはできませんが、今後発表が期待されるWindows Phone 8のModernスタイルはちまちま追っていきたいと思います。

【メモ】Crystal Reports for Visual Studio 2010

業務用アプリケーションを開発されている方はご存知かと思いますが、Visual Studio 2010からは帳票作成向けのコンポーネントである「Crystal Reports」はバンドルされていません。

Crystal Reports for Visual Studio のサポート(MSサポート)

現在は米SAP社から提供されており、Crystal ReportsをVS2010で使用する場合、同社のHPからプログラムをダウンロードする必要があります。

Download SAP Crystal Reports for Visual Studio

VS2008などの旧バージョンのサービスパックなどをダウンロードするには、次のページでダウンロードする必要があります。

SAP Business Objects Support Software Downloads

Crystal Reportsの話題は、@IT辺りで検索するとかなりの記事がヒットしました。

VS2010でCrystal Reports使う必要が出てきたときに、ダウンロード先などの参考にしてもらえれば幸いです。

Visual Studio 11 Beta, Windows 8 Consumer Previewが公開されました。

昨日2/29に待望のVisual Studio 11 Betaが公開されました。Developer Previewが公開されてから約半年の期間を経て公開されました。

VS11とTFSのセットアップに関しては、マイクロソフトエヴァンジェリストの長沢さんのブログでスクリーンショット入りで紹介されていますので、参考にしてください。

Visual Studio 11 Beta Ultimate / TFS のインストール手順

今回のVisual Studio 11で注目すべきはバージョン管理ツールのTeam Foundation Serverに待望の無償版であるExpress版が用意されたことです。ユーザーは5名までとユーザー数などに若干の制限がありますが、必須機能は従来のTFSと同様。使用感に関しては問題ないでしょう。

あと久しぶりにTFSのインストールをしたので分かっていなかったのですが、TFSではIISのインストールが必須になっています。また、サービス(World Wide Web Publishing Service)の起動も自動にしておく必要がありますので注意が必要です。image

VS11もBetaが公開されて、いよいよ製品がリリースされるのも秒読みになったことになります。
VS2010の時の快適さが細かいところでバージョンアップしているVS11を一足早く試したい方は、是非お試しください。

BUILD開催されています

アメリカはアナハイムにてマイクロソフトの開発者向けイベントである【BUILD】が開催されています。

BUILD公式
http://www.microsoft.com/presspass/events/build/

今回、私は諸事情により盛大にこのイベントの情報に乗り遅れたため、キーノートもオンラインで閲覧できていません。

つやてざさんが公開しているブログの「ななふぉ」でキーノートのメインとなる概要は把握できるかと思いますので、そちらをご覧ください。
もうすぐ始まる BUILD のキーノートをライブ中継で見る
Windows 8 の新しい Metro スタイルアプリは Windows Phone でも簡単に動く

今回のキーノートでメインとなったのは、やはりWindowsの次期バージョンであるWindows 8が発表されたことでしょう。目玉となるのは2種類のUIが用意されることです。現状のWindows ApplicationのUIとWindows Phoneから導入されたMetro UI Application。Windows 8が発売された後はしばらくの間、この2つのUIを採用したハイブリッド型のアプリケーションが多くなりそうです。その後、ゆっくりとMetro UIにシフトしていくのか、またはまだ見ぬ新しい発想のUIにシフトしていくのか。まだまだ、UIの世界は計り知れません。

続いて開発環境。既存の.NETやSilverlight、CLR等々のWindows Application向けのフレームワークに加えて、Metro UI Application向けのフレームワークであるWinRT APIというフレームワークが発表されました。今回の発表で嬉しい人はC++ユーザーの方ではないでしょうか。このWinRT APIは、XAMLとC++が連携できるようになり資産を有効に出来るようになる点かと思います。
開発者向けの先行プレビュー版が早速公開されています。気になる方はいち早く体験してみてはいかがでしょうか。クリーンインストール必須ですが。

New Windows Dev Center
http://msdn.microsoft.com/en-us/windows/home/

Windows Developer Preview Downloads
http://msdn.microsoft.com/en-us/windows/apps/br229516

一度買ったOSは10年使い倒すぜ!と息巻いている方もいらっしゃるようですが、10年一昔と言います。しかもこの情報社会、今では3年一昔と言っても過言ではありません。流れに乗り遅れる前に情報資産の見直しもしてはいかがでしょうか。乗り遅れて、守れたものが守れなかったでは話になりません。コンピューターの世界では【古き良き時代】という言葉は通用しません。現在のデスクトップPCが今度どのような方向に向かっていくのか、いわば過渡期にさしかかっていると言えるかもしれません。

これからのMicrosoftのアプローチは目が離せません。

Windows Phone SDK 7.1 RC

先日、KDDI、日本Microsoft、富士通東芝の3社協同で日本で発売されるWindows Phone 7.5の発表記者会見が開かれました。
詳細は、各IT系の記事にお任せします。

開発者にとっては、Windows Phone 7.5がようやくRTMに落ち着いたこと。そしてSDKもRCがConnectを経由して、配布されたことです。

開発者向けに新しく配布されたMango Beta 2はビルド7712で、ほぼ完成版のようです。

今回の7712で変更された点を気付いたところで。

  • 設定のアカウント設定にtwitterアカウント登録がサポートされました。
  • peapleハブからtwitterのTLを見ることが出来るようになりました。
  • Meハブからtwitterへ投稿できるようになりました。
  • カーブフリックが性能比180%快適に入力できるようになりました。
  • Bing検索でバーコード読み取り(QRコードとMicrosoft Tagが可能)と音声検索が選択出来るようになっています。

解決してない問題。

  • 音楽プレイヤーが落ちなくなっています? 落ちることがあるようです。
    ※この件は、要ランニング。今日1日使った感じロックしていません。バッテリーでの再生していると確実に落ちます。早いと数曲再生後にプレイヤーが止まっています。
  • Mozart固有の問題かは分かりませんが、音楽再生中に検索ボタンをタップして、Bing検索を表示させると、抵抗がすっぽ抜けたように音量が上がる。
    もしかしたら、音声検索をするためのマイク機能を考慮してそういうハード設計になっているのかもとか、考えてしまうのですがその辺のことはよく分からないので別機種でも同様の現象が出ている方、いましたら教えてください。

まだまだこれから最後の詰めに入っていますが、Windows Phone SDKも7712公開に併せてRC版が発表されて早速インストールしてみました。

今回はConnectからのダウンロードですので、ダウンロード先は書きません。あしからずご了承ください。

今回のSDKでは、以下の内容が更新されています。リリースノートもしっかりチェックしてください。今回はExtensionメソッド名が変更されていたりと、Beta2と同様、重要な内容も含まれています。

  • エミュレーターにスクリーンショットを撮れる機能が実装されています。
    アプリを公開するときに重宝しそうですね。
  • Extensionメソッドの名称が変更になっています。
    SocketExtensionMethods → SocketExtensions
    WebRequestExtensionMethods → WebRequestExtensions
    WebBrowserExt → WebBrowserExtensions
  • IExecuteResultが削除されました。
  • MotionReadingプロパティの方が変更されています。
  • isolated storageのBackground Transfer Serviceフォルダの名称が変更されています。

その他にも多数変更されています。
もうすぐ、日本にもWindows Phone 7がやってきます。僕たちアプリ開発者から盛り上げていきましょう!

NetAdvantage for Windows Phone コミュニティ プログラムが開始されました!

開発者にとって、サードベンダーが提供してくれるコンポーネント類(ツールや部品)は、非常に強力な力となってくれます。
今回、.NET開発においてコンポーネントを販売しているInfagistics社様がWindows Phoneアプリ開発のコミュニティプログラムを発表されました。

Infragistics Japan デベロッパーエバンジェリスト 池原大然氏のブログ
[WP] NetAdvantage for Windows Phone コミュニティ プログラム開始!
http://blogs.jp.infragistics.com/blogs/dikehara/archive/2011/07/25/wp-netadvantage-for-windows-phone.aspx

このプログラムは、Infragitics社様が今月発売した『NetAdvantage for Windows Phone』を無償で利用できるプログラムです。ただし、これにはもちろん条件がありまして、次の条件をクリアする必要があります。

  1. AppHubに開発者登録済み
  2. WP-Archに登録済み
  3. 2011年12月31日までにMarketplaceに『NetAdvantage for Windows Phone』を利用したアプリケーションを公開すること。
  4. アプリケーション公開の際、プログラム内のどこかあるいはMarketplaceでの説明文のどこかに『NetAdvantage for Windows Phone』を利用している旨を明記すること。

この機会を逃す手はありません。Windows Phone アプリケーションを作ってみようと思っている方、チャレンジしてみませんか?

HTC MozartをMango βにアップデートする(3) -アプリケーションをデプロイする時の諸注意

前回投稿したアプリケーションのデプロイのお話で抜けていたことがありましたので、ここで説明します。

今回の内容も、今後の共通項目になりますので覚えておいてください。

Windows Phone 7は現在7.0と7.1のバージョンが存在します。
アプリケーションは基本的に下位互換となります。そのため、下位バージョンのWindows Phone 7端末では上位バージョンのWindows Phone 7アプリケーションはデプロイできないようになっています。

今回はスクリーンショットを保存し損ねたため、画像はありませんがVisual StudioおよびWindows Phone Developer ToolsのApplication Deployから7.1のアプリケーションを7.0の端末へデプロイしようとすると、次のような感じのエラーが表示されてデプロイ出来ません。
「デプロイしようとしているアプリケーションは、端末のWindows Phoneのバージョンより後のバージョンのためにつくられています」

下位互換なので、7.1の端末で7.0アプリケーションは動きますが、逆のパターンは動作しませんので、デプロイ対象の端末のバージョンとアプリケーションのバージョンはデプロイ可能な組み合わせか、を確認して進めましょう。